町を歩いていると、ふと目を奪われる魅力的な佇まいに出会う事があります。
それは、住宅までのアプローチであったり、玄関まわりのちょうど良い暗さであったり、植栽であったり、都心では贅沢な空地であったり、道路境界線のしつらえであったり。いろいろありますが、一般的に「外構」と呼ばれるものです。
設計者は、とかく建物そのものに精力を集中させ、それ以外のものは添えものというように、プライオリティを付けてしまいがちです。しかし、全体の中のひとつと考えるのであれば、まず多くの人の目に入るものは外構。むしろ、その先にある建物は、利用する人や住人などの極限られた人にのみ開かれ認知されるものです。
そう考えると、その建物の佇まいは、外構によると言い換えても、間違いではないように思います。
魅力的でわくわくする佇まいは、その先にある建物への想像力をかき立てます。
そんなことを節々で考え続けていて、ここでは、個人的に気になる外構のいろいろを集め、その理由を自分なりに分析してみたいと思います。
まず1発目は、長崎の出津教会の石垣。
地場の山から削りだされた、粗いけれど繊細に積まれた石。その時代の苦労が、多くの時を経て、植物達に浸食され同化し、徐々に再びその土地に還っていく途中のような佇まいです。
個人的に、石垣フェチなので(笑)、石垣は今後も登場する可能性が高いかも。