随分ばたばたしていて、すっかり更新が滞ってしまいました。
追い立てられるように夏が過ぎ、こないこないと騒いでいた台風が堰を切ったかのように立て続けに駆け抜けてようやく、秋の深みが増してきた今日この頃です。
私たちが生業としている建築という仕事は、イメージされているよりもずっと地味で細かく、故にとても現実的な作業の割合が多くなります。
そんな現実の真ん中にどっぷり浸かる状態が続くと、ふとした時にとても消耗している自分に気がついたりします。
そんな時は得てして視野が狭く下を向いていることが多く、やばいやばい、と我に返ります。
物質という現実から逃げられないからこそ、虫の目だけでなく、そこから距離をとった鳥の目も持つという行為、その二つを行き来することを常に意識する必要があるのだろうと思います。そしてその行き来が可能なことが、建築の面白さのひとつだと感じています。
設計とも呼べないようなどんな小さな仕事でも、私はここで、「何を」設計するのか、と常に自分に問いかけること。
それによってどんな仕事でも、その答え探しの旅だと思い、俄然わくわくしてきます。